「断熱材のない家」の防寒対策17選│築40年・50年 古い家の寒さ対策を提案!
築40年、50年と経過する住宅に住む人は口々に「寒い」と言います。その理由は古い家には断熱材が入っていないケースがあるからです。
本記事では「断熱材が入っていない住宅がどうして寒いのか、さらに寒さを感じる場合にどうすれば対応できるのか」を解説します。
暑さ・寒さへの備えは快適な住環境実現に直結します。ぜひ温熱環境を学んで、ストレスのない生活を手に入れましょう。
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断熱材のない家はどうして寒いのか?
初めに、断熱材が入っていない家がどうして寒いのかを解説します。原因が分かることでこそ、対策が取れるようになります。
断熱材のない家は、寒さがダイレクトに伝わる
古い家では、断熱材が入っていない場合があります。一般的には、床下・天井裏・壁の中と室内を覆うように断熱材が充填されていますが、古い家の中には断熱材が入れられていないケースも。
この場合、外と中とが薄い壁1枚で隣接することになるので「寒さがダイレクトに伝わってしまいます」。
外気温が0℃とすると、室内でいくら暖房器具を稼働させても局所的にしか温まらないでしょう。
こうして断熱材のない家は、極端に寒く電気代も高額になってしまいます。
まずは「手間も費用もかからない」防寒対策
では、断熱材が入っていない古い家で、どのように防寒対策をとればよいのでしょうか。まずは手間も費用もかからない、手軽な防寒対策からお伝えします。
対策(1)室内でも、とにかく着込んで防寒
最も手軽に取れる方法は「厚着すること」です。
室内が寒くても何層にも着込んで厚着すれば、気温の低さで体温が奪われる速度よりも、体温の暖かさが蓄積されて保温される速度の方が早くなります。このため、不快でなければ厚着することで寒さを感じずに済む可能性があります。
対策(2)既設の暖房の設定温度を上げる
現状あるものを利用する方法として「暖房の設定温度を上げる」ことも有効です。
電気代を気にして暖房の設定温度を下げる場合がありますが、室温の低下で体調を崩して病院にかかったり後述する、費用がかかる断熱対策を行うより、設定温度を上げるほうが簡単・安価に寒さによるストレスを解消できるかもしれません。
対策(3)建具を閉じて部屋を区切る
家の各所にある建具を開放している場合は「建具を閉じること」も寒さへの対策になります。
建具を閉じれば、暖房器具で暖める面積を小さくできるので、暖房器具を買い替えたりせずに暖かい部屋を実現できるかもしれません。
家の各所に散って生活していた場合、集まって1部屋で生活するようライフスタイルを変更することも効果的です。
次に「手間と費用が少し必要な」防寒対策
続いて、新たに物を購入したり、手間をかける必要がある防寒対策を紹介します。
対策(4)隙間風を感じる場所に隙間テープを貼る
外から冷気が侵入することが、部屋の中が寒くなる一因です。このため「隙間風を感じる場所に、隙間テープを貼る」ことで、大幅に環境を改善できるかもしれません。
玄関ドアと枠の間、窓と窓枠の間など外部と内部の間の隙間のほか、玄関とリビングを隔てるドアなど、部屋と部屋の間の隙間を埋めることでも効果を感じられます。
対策(5)遮熱機能のあるカーテンを導入する
隙間だけではなく、窓からの冷気の侵入も室内が冷える大きな原因となります。「遮熱機能のあるカーテンを利用する」ことでも冷えを防ぐ効果を実感できます。カーテンの販売店に行くと「遮熱」などと表示されているものを購入しましょう。
また、カーテンの長さを調節するのも大事です。短すぎるとカーテンの下部から冷気が入り込むので、床につくギリギリの長さに設定することも重要です。
対策(6)厚みのあるカーペットを過ごす時間の長い場所に敷く
床の冷たさが足に伝わるのを防ぐには「厚みのあるカーペットを敷くこと」も効果的です。
特に、キッチンのシンク前、洗面台の前、ソファの下など、長い時間を過ごす場所の下に敷くと効果を感じられます。
ラグやカーペットはたくさん空気を含むため、敷くだけで断熱性が得られるのです。
対策(7)厚手のスリッパを履く
同じ理由で「厚手のスリッパを敷く」ことも効果的です。スリッパの場合は簡単に移動できるので、家事を行う場合におすすめです。
対策(8)新たに暖房機器を導入する
寒さが軽減されない場合は「新たに暖房器具を導入すること」も検討してみましょう。
仮に断熱性能の高い家に住んでいたとしても、熱源が不足していては段々と室温は低下してしまいます。断熱材の入っていない家ならなおさらです。
大事なことは適した場所に適した暖房器具を設置することです。LDKの大空間を電気ストーブで暖めるには長い時間が必要になりますし、一人で座っているだけの時間を快適に過ごすならコタツやホットカーペットが適しているかもしれません。適材適所の暖房器具を導入して効率的に快適な空間を得ましょう。
対策(9)天井が高いならサーキュレーターを導入
勾配天井や吹き抜けなど、天井が高い家の場合は「サーキュレーター」を導入しましょう。
暖かい空気は上り、冷たい空気は下に降りてくる性質を持つので、天井が高いと暖かい空気が人のいる高さより上に集まってしまいます。サーキュレーターの強い風で上下の空気を混ぜて、部屋の温度を均一にしましょう。
対策(10)窓・ドアに断熱素材を貼り付ける
先述したとおり、窓や玄関ドアは、断熱性能が低ければ冷気の侵入経路となってしまいます。古い家の場合は断熱に配慮されていないシングルガラスや、断熱材が挟み込まれていない玄関ドアを利用しているケースもあります。
こういったケースの場合「窓や玄関ドアに断熱効果のある素材を貼り付ける」と効果的です。
窓や玄関ドアに貼り付けられる専用のシートなどがホームセンターに売られていますし、発泡スチロールやダンボール片を貼り付けるだけでも効果があります。
それでも寒いなら「手間も費用もかかる」防寒対策
こうした簡易的に行える対策を全て行っても、まだ寒さを感じる場合は、手間や費用を要するリフォームを伴う断熱対策を施す必要があります。具体的にどんな方法があるのか、確認していきます。
対策(11)断熱性能の高い窓・玄関ドアにリフォームする
冷気の侵入口となりやすい「窓・玄関ドアのリフォーム」は効果を感じられやすい箇所です。
シングルガラスの窓をペアガラス・トリプルガラスに交換する。既設の窓の内側に内窓を配置する。断熱材が入っていない玄関ドアを断熱材入りのものに交換する。こうしたリフォームを行えば、窓から感じる冷気を大幅に軽減できるでしょう。
対策(12)既設の窓の内側に内窓を取り付ける
既設の窓の内側に、もうひとつ窓を設置する「内窓」も効果的です。
窓が1枚だけであった場合は、外と室内の間はガラス1枚だけで分けられていました。二重窓にすることで既設の窓と内窓の間に空気の層ができ、外の冷たさが室内に伝わることを防いでくれます。
既設の窓を取り外さずに新たな内窓をビス止めするだけで施工できるので、1箇所なら1~2時間と短時間で施工できる点も嬉しい点です。
対策(13)全館空調システムを導入する
LDKは暖かいのに、トイレや脱衣室は寒い。家の中で寒暖差が生まれることにストレスを感じているなら「全館空調システム」の導入を検討しましょう。
暖かい空気が集まりやすい場所にダクトの吸い込み口を配置し、冷たい空気のある場所に放出する。こうして全館空調システムを導入した家庭では、家のどこに行っても同じ気温の住環境が手に入ります。リフォームで導入することもできるので、検討してみましょう。
対策(14)床・壁・天井に断熱材を追加する
断熱材が入っていないことが分かっているなら、断熱材が入っていない「床・壁・天井に断熱材を充填」しましょう。
なかでも床・天井は、壁を壊さずに床下点検口および天井点検口から進入して断熱材を更新できるので、比較的安価に断熱材の交換を行えるのでおすすめです。壁に断熱材が入っていない場合は一度壁を壊す必要がありますが、断熱材の充填で大きな断熱効果が得られるので、ぜひ実施しましょう。
対策(15)外壁にダブル断熱を導入する
日本の住宅では、壁の中にグラスウールなどの断熱材を柱と柱の間に充填する断熱材が主流ですが、柱の外側に断熱材を設置する外張り断熱という工法も存在します。
さらに、この双方を同時に行う「ダブル断熱」を行うことで、住宅の断熱性能は飛躍的にアップします。
対策(16)ユニットバスを新しいものに交換する
局所的な温熱環境の改善にはなりますが「ユニットバスを新しいものに更新する」ことも体感的に大きな効果を得られます。
現行のユニットバスの多くは、浴槽の周囲に断熱材が貼り付けられ、さらに風呂フタも断熱効果を持っています。断熱材の無い浴槽から更新することで、お湯が冷めるのを防げるようになるでしょう。
また、もしも浴室が在来工法(コンクリートで作ってタイルを貼り付けるもの)の場合は、ユニットバスに変更することで、足元からの冷えを劇的に改善できる可能性があります。
対策(17)床暖房設備を導入する
高額な費用はかかりますが「床暖房設備の導入」も大きな効果を実感できます。
熱は高いところに移動する性質を持つので、冬は足元からの冷えが大きなストレスになります。しかし床暖房設備は足元を温めてくれるので、床暖房設備を導入した部屋では非常に快適な生活を実現できるでしょう。
まとめ│複数の対策で防寒対策を。駄目ならリフォームで。
断熱材が入っていない、古い家での寒さ対策について解説しました。断熱材がないということは、外の冷たい空気が壁面を冷やし、室内の温度を奪うことにつながります。さらに隙間を埋める役割を果たす断熱材がないことで、多くの隙間風の侵入を許してしまうことになります。
今回紹介したように、手軽に取れる対策から家の性能を根本的に改善する対策まで様々な方法があるので、ライフスタイルや予算に合わせて最適な断熱対策を実施しましょう。
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