「築40年の家」はリフォームか建て替えか|費用相場は?何年住める?気になる疑問を解説

「築40年の家」はリフォームか建て替えか|費用相場は?何年住める?気になる疑問を解説

「築40年以上の自宅を建て替えるかリフォームするか迷っている」「古い中古住宅を購入して後悔しないか心配」という方のために、今回は「築40年の家」のメリット・デメリットと、中古物件価格の傾向、リフォーム・建て替えの費用相場について解説します。

マイホーム計画に関連する補助金や建て替え・リフォームで迷ったときのチェックポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

この記事のポイント

  • ・「築40年の家」は、リーズナブルにマイホームを購入できるなどのメリットがある一方で、大掛かりなフルリフォームが必要であったり物件選びが難しかったりなどのデメリットもあります。

  • ・これから古い中古住宅を購入したい方は、物件選びからリフォームの設計施工までまとめて依頼できるワンストップリノベーションがおすすめです。

  • ・新築・リフォーム(リノベーション)を両方手がける建築会社でしたら、建て替えと改修のどちらがベストかどうかも相談できます。

 

Contents

 

日本における住宅事情

日本における住宅事情

日本では新設住宅の着工件数が年々減少しており、持ち家に限定すると1999年から2018年で着工床面積は半数程度まで減ってしまいました。

(参考:国土交通省|我が国の住宅ストックをめぐる状況について

それと反して近年増え続けているのが「住宅ストック」、いわゆる中古(既存)住宅です。

国土交通省の調査では、住宅ストック数は「約6,505万戸」に達し、日本における総世帯「約5,622万戸」に対して15%以上多いデータが出ました。※2023年時点

(参考:国土交通省|令和6年度 住宅経済関連データ|(2)住宅ストックと世帯数の推移

つまり、既に住宅は余っているということです。

ここでポイントとなるのが、既存住宅の築年数です。

既存住宅のうち、1980年以前に建てられた住宅(=築45年以上)は1,052万戸現存し、1981〜1990年に建てられた住宅(=築35〜44年)は866万戸も現存しています。

建築年代別住宅ストック総数

(引用:国土交通省|令和6年度 住宅経済関連データ|(6)住宅ストックの姿(総計)

もう一つ興味深いポイントは、市場に出回る中古住宅の高齢化が進んでいる点です。

これは、既存住宅が余っており古い家が増えている証拠とも言えるでしょう。

全国的に売り出される中古戸建住宅の平均築年数は30年を超えています。

中古戸建住宅の平均築年数

公益社団法人近畿圏不動産流通機構|年刊市況バックナンバーのデータを基に弊社にて作成)

 

「築40年の家」のメリット

“築40年の家”の価格相場

住宅の平均築年数が上昇している中、市場に増えているのが築40年を超える家で、主にコスト面においてメリットがあります。

 

価格が安い

築40年の家は新築もしくは築浅の物件と比較するとリーズナブルに購入できます。

なぜなら、住宅は原則として建築から年数が増えるほど、その資産価値は低下するためです。

その背景には、税法で定められている「(法定)耐用年数」が影響しており、日本においては設定された年数を超えると、原則として資産価値が大きく目減りします。

構造

耐用年数

木造(W)

店舗・住宅「22年」

事務所「24年」

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)

鉄筋コンクリート造(RC)

住宅「47年」

店舗「39年」

事務所「50年」

鉄骨造(S)

店舗・住宅「19〜34年」

事務所「22〜38年」

※鉄骨の肉厚によって耐用年数は異なります

(法定)耐用年数はあくまでも税法上の寿命であり、建物の物理的な寿命とは異なりますが、売却価格に影響します。

実際に首都圏で売買された中古住宅は、築年数とともに成約価格が下降し、築0〜5年と築41年以上の平均物件価格を比較すると、たった22%程度です。

中古戸建住宅の築年帯別平均価格

(引用:一般社団法人東日本不動産流通機構|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年)

 

物件の選択肢が多い

築年数の経った住宅は、新築建売住宅や築浅中古住宅と比べて、立地環境や広さ、間取りの選択肢が多い点も魅力です。

中古住宅の市場に出回る物件の平均築年数が30年を超えている点からも、古い住宅は物件の選択肢が多いと言えます。

持ち家に限定しても、築45年を超える住宅は全国で「697万戸」、築25〜44年の住宅は「919万戸」現存し、近畿圏だけでも年間「5万戸以上」が売りに出されているのです。

(引用:国土交通省|令和6年度 住宅経済関連データ|(6)住宅ストックの姿(総計)公益社団法人近畿圏不動産流通機構|年刊市況バックナンバー

それに対して、近畿圏で新築される持ち家の戸数は2020年以降「3万戸前後」です。

(引用:国土交通省|令和6年度 住宅経済関連データ|(7)新設住宅着工戸数の推移(近畿圏))

 

古民家の魅力を活かせる

新築建売住宅や築浅中古住宅には“新しい”という魅力がありますが、築40年を超える家は、古民家を彷彿させる素朴な魅力に溢れています。

実際に、京都市などを中心に古民家の需要は高く、他のエリアから古民家を求めて移住する方は少なくありません。

▶︎関連コラム:古民家リノベーション|物件購入&工事費用の相場と補助金・減税、物件選びのポイントを解説

 

「築40年の家」のデメリット・注意点

“築40年の家”のデメリット・注意点

築40年を超える家を購入もしくはリフォーム(リノベーション)する際には、事前にそのデメリットや注意点、リスクを確認しておくことが重要です。

 

耐震性能が低い

1981年の建築基準法大改正により、建物の耐震性能は一気に向上しました。

逆に1981年以前に建てられた建物は耐震性能に不安があると言うことです。

旧耐震建物

1981年5月までに建築確認を受けた建物

新耐震建物

1981年6月以降に建築確認を受けた建物

・木造住宅において「壁量規定の見直し」が行われ、構造用合板や石膏ボード等の面材を用いた耐震壁が追加される
・床面積あたりの必要壁長さや、軸組の種類・倍率が改定される

2000年基準建物

2000年以降に建築確認を受けた建物

・地盤調査が事実上義務化され、地耐力※に応じて基礎の種類が特定される

・構造材(柱、筋交など)とその場所に応じて継手や仕口の仕様が特定され、補強金物の設置が義務付けられる

・耐力壁の配置にバランス計算が必要になる

※地耐力:地盤が建物荷重に耐えられる力を数値化したもので、数値が大きいほど強固な地盤で重い建物を支えられる

このように、特殊なケースを除き、新しい住宅ほど耐震性能が高く、地震や台風へ抵抗できます。

国土交通省の調べによると、既存住宅ストックのうち、約18%が現行の耐震基準を満たしていないとされています。

(参考:国土交通省|我が国の住宅ストックをめぐる状況について

▶︎関連コラム:耐震補強リフォームで木造住宅の地震対策|耐震改修の手順と種類、補助金制度の徹底ガイド

 

省エネ(断熱)性能が低い

建物の省エネ(断熱)性能における基準は年々高まっており、古い住宅ほど外気の寒さ・暑さの影響を受けやすく空調効率が悪い点は否めません。

1980年

省エネルギー基準制定(旧省エネ基準)

=断熱等性能等級2相当

1992年

省エネルギー基準改正(新省エネ基準)

=断熱等性能等級3相当

1999年

省エネルギー基準改正(次世代省エネ基準)

=断熱等性能等級4相当

2013年

省エネルギー基準改正(平成25年省エネ基準)

=断熱等性能等級4相当

2016年

省エネルギー基準改正(平成28年省エネ基準)

=断熱等性能等級4相当

2025年

省エネ基準適合義務化

=全建物が断熱等性能等級4以上

2030年

適合義務基準引き上げ(予定)

=全建物が断熱等性能等級5以上

2024年までは省エネ基準への適合は努力目標であり義務ではありませんでしたが、建築物省エネ法改正により、2025年以降は全ての住宅に一定以上の断熱性能が求められます。

築40年(1985年以前)の家はその大半が断熱等級2で、新築住宅と比べて60%以下※の断熱性能しかありません。

※UA値:外皮平均熱貫流率を比較した場合(断熱等級2=UA値0.72、断熱等級4=UA値0.46)

 

構造躯体などが劣化している

築40年を超える家は、これまで正しくメンテナンスされていない限り、構造躯体などの隠蔽部が劣化している可能性があります。

部位

現象

土台・床組・柱

  • ・蟻害(シロアリによる木部の食害)
  • ・腐朽(湿気や木材腐朽菌による木部の劣化)

給排水管

ガス管

電気配線

  • ・配管の劣化(耐用年数は20〜30年)
  • ・配線の劣化(耐用年数は15〜30年)
 

外壁・屋根が劣化している

外壁や屋根の耐用年数は仕上げの種類によって異なりますが、15〜20年で何かしらのメンテナンスが必要です。

築40年を超える家は、過去に1度、塗装ややりかえをしていたとしても、既に劣化が進んでいる可能性は十分考えられます。

外壁・屋根や雨樋、その他外装が劣化していると、雨漏りの原因となり、内装や構造材の耐久性低下につながるので十分注意しましょう。

 

ローン審査が通りにくい

築40年を超える家を購入する際、住宅ローンの審査が通りにくいリスクがあります。

なぜなら、ローンの審査は購入する物件の担保価値(物的担保)が求められるためです。

物的担保とは、債務者もしくは第三者が所有する資産を指し、その価値に見合う抵当権が設定されます。

古い家は市場価格(=資産価値)が低く、万が一の際に金融機関が回収できる金額が少ないと判断され、ローンの審査が厳しくなったり借入可能金額が安く設定されたりするので注意が必要です。

 

住宅ローン減税を利用できない可能性がある

ローンの融資を受けて住宅を購入した場合、毎年末の残債に対して0.7%分が所得税から控除されますが、この制度を利用できないケースもあります。

ローンを組んで中古住宅を購入・リフォームする際には、以下の条件をクリアできるか確認しましょう。

  • ・対象住宅が自己居住用である(賃貸物件は対象外)
  • ・申告者の合計所得が2,000万円以下である
  • ・住宅ローンの借り入れ期間が10年以上である
  • ・物件引き渡しもしくは工事完了から6ヶ月以内に入居する
  • 1981(昭和57)年以降に建築されているか、それ以前の建物は現行の耐震基準に適合している

(参考:国土交通省|住宅ローン減税

 

現代のライフスタイルと間取りが合わない

日本の戸建住宅は、昭和から平成、令和と間取りのトレンドが移り変わっており、築40年を超える古い家は、間取りが現代のライフスタイル(生活様式)と合わない可能性があります。

1970〜1980年代に建てられた家は、まだまだリビングとダイニングキッチンが分かれている間取りが多く、客間やリビングが日当たりの良い場所、ダイニングキッチンが北側など条件の悪い場所に配置されている事例も珍しくありません。

また、古い家は天井が建築基準法で定められた最低限の高さ(2.1m)の事例が多く、最近の家と比べると低く圧迫感があります。

(参考:建築基準法施行令「居室の天井の高さ」

 

「築40年の家」の物件価格・リフォーム費用・建て替え費用相場

“築40年の家”の価格相場

築40年を超える中古住宅を購入する場合は、物件価格とリノベーション費用の相場を知っておくことが重要です。

 

物件価格

築40年を超える中古住宅の平均価格は新築住宅や築浅中古住宅の20%程度です。

最も中古住宅の市場が活発な首都圏における築年帯別の平均価格は以下のようになります。

中古戸建住宅の築年数

価格(物件+土地)

築0〜5年

平均物件価格「5,021万円」

  • ※土地面積あたり「43.5万円/㎡」
  • ※建物面積あたり「51.7万円/㎡」

築11〜15年

平均物件価格「4,573万円」

  • ※土地面積あたり「35.6万円/㎡」
  • ※建物面積あたり「44.9万円/㎡」

築21〜25年

平均物件価格「3,919万円」

  • ※土地面積あたり「28.0万円/㎡」
  • ※建物面積あたり「36.1万円/㎡」

築31〜35年

平均物件価格「2,770万円」

  • ※土地面積あたり「15.6万円/㎡」
  • ※建物面積あたり「23.7万円/㎡」

築41年〜

平均物件価格「2,071万円」

  • ※土地面積あたり「11.5万円/㎡」
  • ※建物面積あたり「23.4万円/㎡」

上記金額は比較的地価が高い首都圏のデータなので、エリアによってはさらにリーズナブルな価格で中古住宅を購入できる可能性は十分期待できます。

▶︎関連コラム:【2025年】京都市の中古物件価格とリノベーション費用の目安、補助金・減税制度を解説

 

リフォーム(フルリノベーション)費用

建築基準法が大きく改正され、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)が制定される2000年以前に建てられた家は、間取りの変更や内外装、設備機器の交換だけではなく、以下の改修も必要になるケースが大半です。

  • ・柱、梁、耐力壁など躯体の耐震補強
  • ・屋根の断熱(遮熱)工事
  • ・屋根の葺き替えもしくは重ね葺き
  • ・外壁の断熱工事(外張断熱施工・内断熱施工)
  • ・外壁塗装
  • ・バルコニー、ベランダなどの防水改修
  • ・窓、玄関ドアの断熱工事(断熱仕様への交換)
  • ・給湯設備の交換
  • ・配管、配線の更新

※その他オプションで、全館空調・太陽光発電・オール電化など

これらを全て含めると、リフォーム費用は床面積あたり25〜30万円/㎡程度が相場です。(延べ床面積25坪=2,300万円前後)

ただし、これまで既に大規模リフォームをした履歴がある住宅では、床面積あたり15〜20万円/㎡程度で改修できる可能性もあります。(延べ床面積25坪=800万円前後)

 

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建て替え費用

築40年の家を建て替える場合は、以下の費用がかかります。

工事内容 平均費用

既存建物の解体撤去

1〜3万円/㎡

※解体工事費・廃材処理費用のみ

例:

  • 25坪=75〜250万円
  • 30坪=90〜300万円
  • 35坪=105〜350万円

住宅の建築(木造)

24.6万円/㎡

例:

  • 25坪=2,030万円
  • 30坪=2,430万円
  • 35坪=2,842万円

(参考:国土交通省|住宅着工統計(2024年度)

上記に加えて、地盤調査とそれに伴う地盤改良費用、建築確認申請にかかる費用などが発生します。

 

「築40年の家」の税金|固定資産税

“築40年の家”の税金|固定資産税

住宅はその築年数にかかわらず、所有している限り固定資産税がかかります。

ただし、ここでポイントとなるのは、家屋の固定資産税額は新築時から何年経っているかによって変わる点です。

土地の固定資産税額=固定資産税評価額×1.4%

家屋の固定資産税額=固定資産税評価額×経年減点補正率×1.4%

経年減点補正とは「建物は経年とともにその価値が減っていく」という考え方で、新築時を「1」とし、以下のように価値を少なく見積もります。

経過年数 経年減点補正率(木造)
1年 0.80(80%)
5年 0.64(64%)
10年 0.50(50%)
15年 0.37(37%)
20年 0.25(25%)
25年 0.21(21%)
27年以上 0.20(20%)

(参考:総務省|地方税制度|固定資産税法務局|経年減点補正率表

つまり、家屋にかかる固定資産税が、築40年の家は新築の家と比べて20%、築20年の家と比べて80%になるということです。

▶︎関連コラム:リノベーションで固定資産税はどう変わる?上がる・下がる・変わらないケースを徹底解説

 

「築40年の家」リフォームで使える補助金・減税特例

戸建住宅の断熱リフォームで使える補助金と減税・税控除制度

国は古い住宅ストック(既存住宅)の高耐震・高断熱化を進めており、リフォームやリノベーションに対して複数の優遇措置を実施しています。

 

補助金

補助金の事業は、全国対象の国や公共団体が実施しているものと、地方自治体が独自に実施しているものがあり、組み合わせによっては併用できる可能性があります。

事業 補助額
子育てグリーン住宅支援事業(リフォーム)

上限40〜60万円/戸

※断熱改修が必須

長期優良住宅化リフォーム推進事業

上限160万円/戸(工事費用1/3を補助)

※耐震・省エネ(断熱)改修が必須

既存住宅における断熱リフォーム支援事業(トータル断熱)

上限120万円/戸

※断熱改修が必須

※申請方法や要件、申請期限は各公式ホームページをご確認ください。

 
補助金のほかに、自治体が低金利でリフォームの費用を融資する制度もありますので、ぜひご活用ください。

例:京都府住宅改良資金融資制度京都府スマート・エコハウス促進融資

 

減税・税控除制度

補助金は事業ごとに予算が決められており、対象者全員が利用できるとは限りませんが、税制における優遇制度は確定申告をすればどなたでも利用できます。

制度 減税・控除額

住宅ローン減税(増改築)

毎年末のローン残高0.7%分を所得税から控除

※借入上限額は2,000〜3,000万円
※控除年数10年間
※昭和57年以降に建築もしくは現行の耐震基準に適合することが必須

耐震リフォーム促進税制(所得税)

バリアフリーリフォーム促進税制(所得税)

省エネリフォーム促進税制(所得税)

同居対応リフォーム促進税制(所得税)

長期優良住宅化リフォーム促進税制(所得税)

子育て対応リフォーム促進税制(所得税)

標準工事費用相当額の10%分を工事完了年の所得税から控除

※耐震リフォーム促進税制のみ、旧耐震基準(昭和56年5月31日以前の基準)によって建てられた住宅が対象

耐震リフォーム促進税制(固定資産税)

バリアフリーリフォーム促進税制(固定資産税)

省エネリフォーム促進税制(固定資産税)

長期優良化リフォーム促進税制(固定資産税)

工事完了翌年の固定資産税1/2を減額

※耐震リフォーム促進税制のみ、昭和57年1月1日以前に建てられた住宅が対象

※申請方法や要件、申請期限は各公式ホームページをご確認ください。
※2025年9月時点では、全て2026年3月31日までにリノベーションが終了することが条件です。

 

▶︎リノベーションPROへのお問い合わせ(オンライン相談)

 

「築40年の家」をリフォーム・建て替えで迷った時のチェックポイント

「築40年の家」をリフォーム・建て替えで迷った時のチェックポイント

築40年を超える住宅を所有している方や、これから中古住宅を購入したい方で「建て替えとリフォームで迷っている」という方は多いはずです。

その際には、いくつかのポイントを押さえてマイホーム計画を検討しましょう。

 

ホームインスペクション(住宅診断)を受ける

築40年を超える住宅を購入もしくはリフォームする際には、事前にホームインスペクション(住宅診断)を受けましょう。

ホームインスペクション(住宅診断)とは、建築士や住宅診断士など、売主・買主・所有者などとは異なる第三者のプロが、住宅の状態を細かく調査する作業です。

ホームインスペクションでは、以下のような項目を確認します。

屋外
  • ・基礎(ヒビや欠損の有無など)
  • ・外壁(ヒビや欠損、浮き、剥離などの有無)
  • ・屋根(割れ、浮き、剥がれ、劣化、防水紙の状態など)
  • ・軒裏天井(浮き、剥がれ、劣化、雨漏り、軒裏換気口の状態など)
  • ・雨樋(破損、ひび、掴み金物の緩み、詰まりの有無)
  • ・サッシ類(開口部周りや開閉の状態など)
  • ・バルコニー(防水層や塗装の状態、浮き、剥がれ、ヒビ、雨漏り、排水詰まりの有無)
  • ・外構(各部の劣化や不具合の有無)
  • ・地盤(陥没や沈下の有無)
屋内
  • ・土台や床組(劣化や腐朽、蟻害(蟻道)、土台と床組みの接合部、水漏れや雨漏りなどの有無)
  • ・断熱材(種類や設置状況)
  • ・給排水管やガス管(固定状況、破損、漏水・ガス漏れの有無)
  • ・梁や小屋組(ヒビ、欠損、その他不具合の有無)
  • ・床、壁、天井、階段(沈み、破損、雨漏り跡、その他不具合の有無)
  • ・内装ドア(建て付けの状態、破損などの有無)
  • ・水回り設備、電気設備(破損、水漏れ・漏電、24時間換気の有無、その他不具合の有無)
  • ・配管(給水・給湯管の結露防止措置の有無、通気管の状況、排水管の勾配など)
  • ・配線(回路数、分電盤の状態など)
その他
  • ・隣地境界の明確性(位置)
  • ・道路境界の明確性(位置)
  • ・植栽やその他造作物の越境有無
  • ・各種メーターの位置と状態
  • ・浄化槽の位置と状態

※上記検査項目は目安で、実際の場合と異なる可能性がありますので、詳しくは調査会社や建築会社にご確認ください。

診断の結果、深刻な劣化や欠陥がある場合は、購入やリフォームを再検討する必要があります。

 

主要構造部に劣化が見られる・地盤沈下している

主要構造部とは、建築基準法第2条で定められた「壁・柱・床・梁・屋根・階段」※を指します。

※建築物の構造上重要ではない「間仕切壁・間柱・付け柱・揚げ床・最下階の床・小梁・ひさし・局部的な小階段・屋外階段」などは除く

これらに深刻な劣化や欠陥が見られる場合は、リフォームではなく建て替えがおすすめです。

もちろん、リフォームで主要構造部をやりかえる工事は可能ですが、建築確認申請が必要で、住宅の建て替えと費用は変わらなくなります。

また、基礎にヒビ・欠損がある場合は、基礎自体の劣化に加えて、地盤沈下の可能性は決して低くありません。

そのため、既存建物を解体撤去して地盤改良から行うプランがおすすめです。

 

建築時期が1981年以前か後か

1981年は建築基準法の大改正があり、建物が旧耐震と新耐震で大きく分かれた年です。

旧耐震基準建物は、現行の建築基準法に適合していないだけではなく、地震によって倒壊・崩壊するリスクが高いので注意しましょう。

旧耐震基準の建物を新耐震基準(耐震等級1)や、さらに耐震性が高い耐震等級2・3まで改修するには、200〜300万円程度※の費用がかかる可能性があります。

※内外装の補修にかかる費用は別途

旧耐震 震度5強程度の揺れでも倒壊・崩壊しない」
耐震等級1=新耐震基準 新耐震基準と同等の耐震性能で、「震度6強〜7程度の揺れでも倒壊・崩壊しない」
耐震等級2 等級1で想定する地震力の1.25倍の地震に抵抗できる耐震性能
耐震等級3 等級1で想定する地震力の1.5倍の地震に抵抗できる耐震性能

 

古民家・町屋ならリフォームがおすすめ

京都市内などいくつかのエリアでは、築50年を超える古民家や町屋が多く現存します。

それらは耐震性・断熱性などにおいて現代の住宅と比べて劣る点もありますが、独特な外観(ファサード)や間取り、建築材料は新築では表現できません。

そのため、古民家や町屋で暮らしたい方は、建て替えではなくリフォームがおすすめです。

ただし、これらのリフォームは通常とは異なる施工方法や材料選定が必要になりますので、施工実績のある建築会社へ相談しましょう。

 

▶︎関連コラム:「リノベーションはやめたほうがいい」と言われる理由や新築との違い、後悔&失敗しないための対策

 

「築40年の家」購入・リフォームに関するよくある質問

2025年建築基準法改正後の再建築不可物件のリフォームポイント

▶︎施工事例:京都市北区|リノベーション|N様邸

リノベーションPRO(三都の森)は、京都市洛北エリア(左京区・北区を中心としたエリア)で、“地域密着型”の建築会社として、住宅のリノベーションと新築の両方を手がけています。

そこで、多くのお客様からいただく「築40年の家」の購入やリフォームに関する“よくある質問”を紹介します。

 

Q.「『築40年の家』はフルリフォームすると、あと何年住める?」

A.「フルリフォームの工事内容によっては、築40年を越える家でもさらに50年以上住み続けられます。」

既に新築から40年経っている家は長く住めないと思われがちですが、木造住宅をフルリフォームする際に以下の点も考慮すれば、何十年もその家で生活できます。

内部結露の抑制
  • ・外壁、小屋裏、床下などの断熱工事
  • ・断熱工事に伴う防湿工事
外壁(軸組)の防腐・防蟻処理
  • ・外壁が通気構造
  • ・外壁の地面から1m以内にある軸材、下地材、合板に薬剤処理(防腐・防蟻)を施す
土台の防腐・防蟻処理
  • ・外壁の下端に水切りが設けられている
  • ・土台にヒノキ、ヒバ等を使用する
基礎の高さ
  • ・地盤面から基礎上端等までの高さが40cm以上ある
床下の防湿・換気
  • ・床下がコンクリート、防湿フィルム等で覆われている
  • ・壁の長さ4m以下ごとに有効面積300㎠以上の換気口が設けられている
小屋裏の換気
  • ・小屋裏給排気、軒裏給排気、軒裏給排気+小屋裏排気、軒裏給気+排気塔排気などが設けられている
浴室・脱衣室の防水
  • ・浴室や脱衣室の軸組・床組等に防水上有効な仕上げが施されている
  • ・浴室がユニットバスになっている
 地盤の防蟻
  • ・基礎の内周等の地盤に防蟻措置がされている

この中には新築時でないと工事できない内容も含まれますが、フルリフォームでできるだけ多くの処置を行うことにより、建物の寿命は長くなります。

(参考:国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装 設備の更新による価値向上について

 

Q.「築40年の中古住宅は買わない方がいい?よくある後悔の理由は?」

A.「築40年を超える中古住宅を購入する際には、通常よりも高いレベルの建築的知見が必要です。」

古い中古住宅を購入して後悔する人の主な理由は以下の通りです。

  • ・購入時に気がつかなかった劣化や欠陥が見つかり、想定以上にリフォーム(リノベーション)費用がかかった
  • ・住み始めてから暑さや寒さ、結露などの問題に気がついた
  • ・思い描いていた間取りやデザインを実現できなかった

これらの後悔を避けるポイントは、「物件選びから建築会社にサポートしてもらう」ことです。

一般の人では気が付きにくい劣化を見逃さず、さらに物件購入とリフォームにかかるトータルコストを早い段階で把握できます。

また、既に理想的な住まいのイメージが固まっている場合は、それを事前に伝えることで実現しやすい物件かどうかのアドバイスを受けられます。

そのため、築40年を超える古い中古住宅を購入したい方は、物件探しからリフォーム(リノベーション)の設計施工までまとめて相談できるワンストップリノベーションがおすすめです。

 

Q.「『築40年の家』を選ぶコツは?」

A.「『築40年の家』を選ぶ際には、間取りやデザインではなくまず地盤や土地の特性をチェックしましょう。」

築40年の家を選ぶ際には、以下の点を重点的にチェックしましょう。

  • ・地盤沈下(不同沈下)が見られるか
  • ・水害などの災害リスクなないか
  • ・液状化リスクはないか

これらの問題があると、建て替えるにもリフォームするにも通常より費用が高くなります。

築40年以上の住宅が建っている土地は、建築時に地盤調査されている可能性が低いため、自治体のホームページや国土地理院・重ねるハザードマップを確認しましょう。

土地の特性に問題がないことを確認してから、構造や家全体の劣化状態などを細かくチェックすることをおすすめします。

 

リノベーションPRO(三都の森)は、京都市洛北エリア(左京区・北区を中心としたエリア)で、住宅のリノベーションと新築を両方手がけています。中古物件・土地探しから設計施工までまとめてご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

▶︎リノベーションPROのラインナップ(パック料金プラン)

 

まとめ

「築40年の家」は、リーズナブルにマイホームを購入できるなどのメリットがある一方で、大掛かりなフルリフォームが必要であったり物件選びが難しかったりなどのデメリットもあります。

これから古い中古住宅を購入したい方は、物件選びからリフォームの設計施工までまとめて依頼できるワンストップリノベーションがおすすめです。

新築・リフォーム(リノベーション)を両方手がける建築会社でしたら、建て替えと改修のどちらがベストかどうかも相談できます。

 

京都市で中古一戸建てのリノベーションは三都の森にお任せください

リノベーションPROのパック商品

三都の森(リノベーションPRO)は、京都市全域と宇治市、大山崎町、亀岡市、木津川市、京田辺市、久御山町、城陽市、精華町、長岡京市、向日市、八幡市、及び大阪府・滋賀県の一部を施工エリア」として、一戸建ての新築・改修を手がける会社です。

三都の森のリフォームは、見えるところだけではなく、見えないところにまで手を入れて、住まいの性能を最大限引き出すスケルトンリフォーム(リノベーション)です。

「低燃費・快適住宅・ローメンテ」というコンセプトに基づき、高い技術力を持って、お客様の住まいに合わせた最適なリフォーム・リノベーションを行います。

「本当に価値ある」未来を作るリノベーションを追求・実現していますので、お気軽にご相談ください。

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