スケルトンリフォームとは?メリット・デメリットや費用・中古一戸建ての実例を紹介
リフォームやリノベーションについて調べていると、「スケルトンリフォーム」という言葉を見かけることがあると思います。
なんとなく、家をまるごとリフォームするということは分かっても、実際にどんなリフォームを指すのか分からないという方もいるかもしれません。
今回はスケルトンリフォームとはどんなリフォームなのか、そしてスケルトンリフォームのメリット・デメリット、費用相場を解説します。
また、実際に戸建てスケルトンリフォームの実例もご紹介しますので参考にしてくださいね。
スケルトンリフォームとは?
スケルトンとは日本語で「骨組み」という意味です。
つまり、「スケルトンリフォーム」は、「建物の内装・外装を全て解体し、骨組みだけを残して設備・内装・間取り・性能など全てを暮らしやすく向上させる」リフォームを指します。
ちなみに、似た言葉の「フルリフォーム」は、広い意味合いで「住宅全体をリフォーム」することを指します。
戸建てをフルリフォームする場合、工事内容は主に、
- ①表層リフォーム
- ②内装を全て解体して作り直すリフォーム
- ③内外装を骨組みだけ残して作り直すリフォーム
- ④外装を全て解体して作り直すリフォーム
この4種類に分けられます。
①の表層リフォームは、既存の間取りはそのままに、壁紙や床、天井、室内ドアなどの内装、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備の交換などを行うフルリフォームのことです。
POINT 表層リフォームが向いているケース
新耐震基準で建てられている戸建てや、比較的築年数が浅く間取り変更が不要な戸建てに向いています。
フルリフォームの中でも「スケルトンリフォーム」という場合は、②~④が当てはまります。1つずつ簡単に解説しますので参考にしてください。
スケルトンリフォームの種類と向いているケース
・内装を全て解体して作り直すスケルトンリフォーム
内装のスケルトンリフォームは、マンションのスケルトンリフォームと同じような工事内容になります。外壁や外壁に面した窓枠などは壊さずに、室内側の壁や床、天井をすべて解体して新しくするフルリフォームです。
間取り変更の自由度が高く、室内側から断熱改修・耐震補強ができるのがメリットです。断熱改修は、壁の内側に断熱材を入れるほか、外壁に面した窓を交換しない代わりに、室内側から二重窓を設置して断熱性をアップさせます。
中古戸建てでも外壁や屋根の耐久性に問題がない場合は、内装のみのスケルトンリノベーションにすることで、コストを抑えて内装を新しくでき、希望の間取りを実現できます。
・内外装を骨組みだけ残して作り直すスケルトンリフォーム
内外装のスケルトンリフォームは、最も大規模なリフォームです。内装に加えて、外壁や窓、屋根まですべて解体して新しくするフルリフォームになります。
内外装のスケルトンリフォームは、玄関や外壁の窓の位置なども変更できるため、間取り変更の自由度が最も高い方法です。
また、外壁を解体するので、外側からの断熱改修も可能になり、耐震補強も屋根の軽量化や構造部の補強など、より確実な耐震補強ができます。
- ・外装の傷みが激しい場合、外観を変えたい場合
- ・建て替えでは希望の間取りが実現できない場合(セットバックの問題)
- ・再建築不可の土地で建て替えできない場合
このような場合には、内外装のスケルトンリフォームが適しています。
・外装を全て解体して作り直すスケルトンリフォーム
外装のみを全て解体して作り直すスケルトンリフォームは、どちらかといえば珍しいケースになります。
- ・室内は問題なく使えるけれど、外壁の傷みが激しい場合
- ・建物の外周部に断熱材が入っていないため外部から断熱材を充填したい場合
- ・外断熱にしたい場合
などで採用されます。
つまり、スケルトンリフォームは、「フルリフォームの手段の1つ」とも言えます。
フルリノベーションや全面リフォームとは違う?
また、フルリフォームと似た言葉に「フルリノベーション」や「全面リフォーム」がありますが、両者に明確な違いや定義はありません。
一般的に、リノベーションは性能向上、リフォームは現状回復や修繕の意味合いが強いですが、リノベーション会社によってリノベーションのコンセプトや施工内容が異なるので、どんなプランや工事を行うのか、事前にチェックしてから選びましょう。
中古住宅のスケルトンリフォームのメリット
メリット①:新築・建て替えよりコストを抑えられる
スケルトンリフォームは、現在の家の躯体を活かせるので、新築や建て替えよりも工事費用を抑えて、新築同様の綺麗な住まいを手に入れやすいのが大きなメリットです。
所有しているマイホームをスケルトンリフォームする場合はもちろん、中古住宅を購入してからスケルトンリフォームする場合でも、新築よりトータル費用を抑えられるケースが多いです。
メリット②:配管など見えない部分まで更新できる
スケルトンリフォームは、一度内外装を丸ごと解体するため、床下や天井、壁の中の給排水管、ガス管、電気配線、基礎などの状態も確認できます。
必要に応じて交換や補強、補修などの対応ができるので、建物の見た目やデザイン、間取りなどはもちろん、住み心地や安全性に関わる部分を改善・向上できるのも大きなメリットです。
古い一戸建ても、配管などの見えない部分まで一新することで、さらに長持ちさせることもできますよ。
メリット③:断熱補強や耐震補強ができる
スケルトンリフォームは耐震・断熱補強ができるのもメリットの1つです。
部分的なリフォームでも耐震補強や断熱補強はできますが、
一度建物をスケルトン状態にすることで、躯体の状態を隅々まで確認でき、普段は見えない隠れていた劣化などを見つけて、より適切で万全な補強方法を検討することができます。
現行の耐震基準に満たない一戸建てや、断熱性能が低く「夏暑い・冬寒い」不快な家も、スケルトンリノベーションで耐震補強・断熱補強を施すことで、
最新の新築と同レベルの性能を持つ家に生まれ変わせることもできます。
スケルトンリフォームは、住宅の快適性や省エネ性を高めるのにも非常に有効と言えるでしょう。
メリット④:暮らしに合わせて間取りを変更できる
スケルトンリフォームは、内装を柱や梁以外の壁や天井などを全て解体するので、既存の間取りからを大幅に変更できます。
例えば、2部屋だった空間を1つの大きな部屋にしたり、水まわりを移動するなど、現在のライフスタイルに合わせた暮らしやすい間取りに変えることができます。
さらに、戸建てのスケルトンリフォームの場合は、可能であれば玄関の位置を変えたり、外壁に面した窓の位置や大きさ、種類なども変更できるので、日当たりや風通し、家の中からの眺望なども大きく改善しやすいのがメリットです。
メリット⑤:面積を減らさずに古い建物が蘇る
古い一戸建ての中には、現行の建築基準法に適合していない家もあります。
このような家は、一度取り壊して現行の基準に従って建て替えようとすると、接道義務などによって今よりも小さな家しか建てられないケースがあります。
住宅の面積を減らさずにリニューアルしたい場合も、スケルトンリフォームが適しています。
さらに、「再建築不可」となっている敷地では、建物を取り壊して新しく建て替えることができません。
しかし、このような物件も条件をクリアすればスケルトンリフォームでリニューアルが可能です。
三都の森では、築40年以上の中古住宅を生まれ変わらせた実績もございますので、まずはご相談ください。
中古住宅のスケルトンリフォームのデメリット【対策付き】
デメリット①:通常のリフォームよりも手間・コストがかかる
スケルトンリフォームは、表層のみのリフォームや部分的なリフォームよりも調査やプランニング、施工にもより時間と費用がかかります。もちろん、建物をすべて解体するための時間やコストも必要です。
さらに、建物の状態によっては、想定外の劣化が見つかり、建て替えよりもコストがかかるケースもあります。リフォームやリノベーションでは、壁や床をはがしてみないと分からないことも多いのです。
また、スケルトンリフォームは住みながらのリフォームは難しいので、仮住まいの費用も必要になってきます。
【対策】スケルトンリフォームの実績が多い会社を選ぶ
スケルトンリフォームは通常のリフォームより費用がかかるということを前提に、スケルトンリフォームに慣れている実績の多い会社を選びましょう。
特に、築年数が古い一戸建てのスケルトンリノベーションは、新築以上に設計・施工の難易度が高く、現状を正しく見極めて適切な方法を選ぶためには多くの経験も必要になります。
そのため、戸建てのスケルトンリフォームの実績が多い会社は、設計力・施工力が高いと推測できるでしょう。
表層リフォームや水回りの部分リフォームが中心の会社だと、予想外の事態に対応できなかったり、結果的に工期がさらに延びるなどのリスクがあるので注意しましょう。
三都の森では、築40年以上の中古住宅を生まれ変わらせるなど、戸建てのスケルトンリノベーションの実績が多数あります。
デメリット②:思い通りの間取りにならないケースがある
スケルトンリフォームは、間取りを一から作り直せるのがメリットですが、構造の強度を保つために取り除けない壁があるなど、場合によっては希望の間取りが作れないケースもあります。
木造一戸建ての場合、一般的に木造軸組構法よりも2×4工法の方がリフォームの自由度は低くなります。
また、水回りを移動する場合、配管の配置替えや延長などでコストが大きく増える可能性もあります。
このように、構造や予算次第で、実現できる間取りに制限が出ることがあるので注意しましょう。
【対策】構造を事前に確認してからプランニングする
スケルトンリフォームで間取り変更を検討するときは、まず対象の建物がどんな構造なのかを確認してからプランニングしましょう。
三都の森の戸建てリフォームは、建物調査のご相談から可能です。設計事務所もありますので、建物の現況調査(インスペクション)も可能です。
インスペクションではスケルトンリフォームが可能なのか、躯体の状態はどうかなど、見るべき箇所をしっかり調査します。
間取り変更はどの程度できるのかなど構造の確認も可能ですので、安心してご相談ください。
中古一戸建てのスケルトンリフォーム費用相場
三都の森で中古一戸建てのスケルトンリフォーム(内外装)を行った場合の費用相場をご紹介します。
①築年数が古い中古一戸建ての場合
建築時期2000年以前の、築年数が古い一戸建てのスケルトンリフォームは23.5万円/㎡~が目安です。
床面積80㎡(24.2坪)の場合、費用は1,880万円~となります。
※費用は税抜きです。80㎡を超える場合には20万円/㎡を加算してお見積もりします。
リフォーム内容は、内装、外装の一新のほか、耐震補強や断熱補強などの性能向上も含み、見た目だけでなく快適性も新築のようにリニューアルできます。
<主な工事内容>
- ・柱・梁・耐力壁等 躯体の耐震補強
- ・屋根の葺替・通気垂木・遮熱・断熱施工
- ・外壁 外張断熱施工、防水改修・塗壁仕上
- ・内装壁・天井・床の張り替え
- ・窓・玄関ドアの取り替え
- ・空調システムの一新
- ・住宅設備機器取替(水回り、エアコン、照明など)
- ・オール電化仕様
②築年数が新しい中古一戸建ての場合
建築時期2000年以降の、比較的築年数が新しい一戸建てのスケルトンリフォームは、11万円/㎡~が目安です。
床面積80㎡(24.2坪)の場合、費用は880万円~となります。
※費用は税抜きです。80㎡を超える場合には12万円/㎡を加算してお見積もりします。
内装で活かせる部分はできるだけ残し、必要な部分のリフォームや断熱性能の向上を行います。
<主な工事内容>
- ・屋根の遮熱・葺替え施工
- ・外壁の外張断熱施工、防水改修・塗壁仕上
- ・窓・玄関ドアの取り替え
- ・内断熱+オール電化リフォーム(オプション)
オプション:80㎡未満の場合+600万円
上記を超える場合の加算額9万円/㎡
また、①と②どちらの場合も、必要に応じて基礎補強や間取り変更のオプションを選択できます。
<オプションの例(税抜)>
- ・基礎補強(現状の布基礎を鉄筋を入れベタ基礎仕様に補強):100万円~
- ・全熱交換型全館空調システム:80万円
- ・間取り変更 ※ご希望の内容により算出します。:50万円~
- ・内装仕上改修(内装の壁の仕上げをシラス塗に変更):¥7,000/㎡
- ・太陽光発電設備・蓄電池搭載(※立地条件等調査・計画の上提案)
京都市の戸建てスケルトンリフォーム施工事例
築49年の木造二階建てスケルトンリフォーム事例(左京区)
・リフォーム前(外観)
・リフォーム後(外観)
外観は和風のイメージから、グレーのおしゃれな塗り壁にリニューアルしました。和風住宅から一変、モダンで現代的、なおかつ景観にも似合う和の雰囲気も保った外観に仕上げました。
・リフォーム前(内装)
・リフォーム後(内装)
1階にあった壁付けのキッチンは、LDKごと2階に移動する大胆な間取り変更を実施しました。2階リビングにすることで、道路からの視線を気にせずにくつろげるようになり、窓からの眺望も良くなりました。
まとめ
スケルトンリフォームは、一戸建ての内装や外装をすべて解体して骨組みにしてから作り直すリフォームで、築年数が古い住宅も新築のように生まれ変わらせることができるのが大きなメリットです。
反面、通常の表層(内装)リフォームや部分リフォームと比べて費用がかかり、工期も長くなりがちなため、スケルトンリフォームのメリットだけでなくデメリットも熟知した、実績の豊富な会社を選ぶことが重要になってきます。
京都市で中古一戸建てのスケルトンリフォームは三都の森にお任せください
三都の森のリフォームは、見えるところだけではなく、見えないところにまで手を入れて、住まいの性能を最大限引き出すスケルトンリフォーム(リノベーション)です。
「低燃費・快適住宅・ローメンテ」というコンセプトに基づき、高い技術力を持って、お客様の住まいに合わせた最適なリフォーム・リノベーションを行います。
過去を繕うだけのリフォームではなく、「本当に価値ある」未来を作るリノベーションを追求・実現しています。